ヨーロッパ・アフリカ

超楽観男(後)

前回続き→
さて タクシーに乗って、住所を見せた瞬間
よくわからないフランス訛りの英語で「ラストの番地のわからないゾ!」と乗車を断られそうになりました。
それでも「ほんとわかってるクセに〜まったく完璧主義者なんだからぁ」くらにしか思ってませんでした。

そして到着したのは夜のマレ地区。
「この1ブロックのどっかだよ、たぶん」ばりでタクシーを降ろされ、
私は大きなリュックしょったまま、歩き始めたのです。

1辺が300mほどのブロックを1周…2周・・・
パリの友人のオフィスに電話するはずが、番号わからず、しかも半日遅延。
その時になって初めて「あ、そういえば俺(友達の)会社名も知らないじゃん!」

私は本当に何も知らない、無準備でパリまで来てしまったのです。

それから何周あたりを回ったでしょうか・・・・
「こんな時間に働くフランス人はいない」
「友人(日本人女性)は僕から連絡がこないのをおかしいと思って、絶対待っててくれている」
そんな事をずっと考え、明かりの灯る部屋に目を凝らしながら
何周も何周もしたのです。

そして十何周目かで、偶然にもある場所の2Fの窓に黒髪の女性の後ろ姿を一瞬見た気がしました!
「あそこだーーーっ!」

私は、自分の持っているありとあらゆる紙を丸めて、その2Fの窓めがけて
勢いよく投げ始めました。

しばらくすると、中にいたフランス人のおばちゃんが、窓を開けて私に「やめなさいっ!」みたいなそぶりで
怒り始めました。
私はそれでも紙屑を投げることをやめませんでした。

そしたら、奥から出てきたのです。
私の友人が!

私は両手を思いっきり振って「こんばんわー!」
ふーっ 一件落着!

ちなみに怒ってきたフランス人おばさんは、私が石を投げつけてると思ったということでした。


若気の至り・・・にしては本当にアホで危険でした。
ただ運だけ良くって…・

さすがにこんな旅は最初で最後。

その私がひとさまのご旅行のお世話をしています。(汗)

ご安心ください!
もう十数年前の話ですからっ。

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