竹(BAMBOO)の創り出すしなやかで強い世界~バリ島 ジョン・ハーディのサスティナブルな世界観

様々なリゾートの中でも、インドネシアバリ島のリゾートホテルにはスミニャックのDesa Potato Headなどをはじめ、日本では考えられないようなユニークでダイナミックな建築物に出会うことが良くあります。単に「リゾート建築が美しい」というだけでなく、伝統建築・トロピカル建築・バイオフィリックデザイン・竹構造・サステナブル建築の実験場として、世界の建築関係者から注目されている場所です。中でも、自然と溶け合うサスティナブルなバンブー建築が今注目されています。

ジョン・ハーディ(John Hardy)はもともとカナダ出身のジュエリーデザイナーとして知られ、1975年にバリ島を訪れてこの地の自然や職人文化に強く惹かれました。それをきっかけにジュエリーブランド「John Hardy(ジョン・ハーディ)」をバリで開業。やがてその活動は建築や教育、サステナブルなコミュニティづくりへと広がっていきました。面白いのは、建築を「完成した建物」としてではなく、自然の中に人間の居場所をつくる実験として捉えていること。
ジョン・ハーディはバリ島で「建築家」という肩書きで設計を手がけたわけではなく、彼の考える基本的な理念に基づいた建築を通してサステナビリティや地域文化との共生を実現した人物として知られるようになったのです。
中でもグリーン・スクールやグリーン・ヴィレッジ、ホテル バンブーインダーなど、竹建築・エコ建築の先駆的プロジェクトは、建築界や環境共生の世界でも注目されています。

ジョン・ハーディの基本的な3つ理念
1:「自然素材を中心とした建築」特に竹を持続可能な構造材として活用することを強調。
2:「環境への配慮と建築の調和」建物が自然を壊すのではなく、周囲の生態系と共存するようにデザインする。
そして
3:「地域文化との融合」バリの職人、建築技術、伝統的素材を取り入れることで、地域固有の気候・文化に即した建築する。

バンブーインダーのバー

代表的なプロジェクト(バリ島)

 設立コンセプト:ジョン・ハーディと妻シンシアが2008年に設立した国際的な環境教育学校。
 建築の特徴:キャンパスの建物の多くは竹や地元素材を用いて設計・施工され、教室や橋、共用スペースに至るまで自然素材を活かした構造になっています。
環境配慮:建築は自然の地形・植生と調和し、再生可能エネルギーの利用や水循環を取り入れた設計思想が反映されています。

この学校のキャンパスは広大な敷地と山の斜面を利用した中に、竹でできた開放的な教室や宿泊棟をはじめ、体育館や橋など実に様々な施設があります。
世界的にも竹建築の先進例として評価され、建築界でも注目された代表的作品となっています。
竹を単なる装飾材ではなく、主要構造として使うことで、教室・食堂・体育施設などを巨大なオープンエア空間として成立させています。中でも2021年完成のThe Arcは必見。19mスパンの竹のアーチを連続させ、二方向に曲げたグリッドシェルで構成する、極めて高度な竹構造です

向こう側に見えるのが竹でできたユニークで巨大な体育館The Arc
グリーンスクールの生徒や家族の宿泊等も木造り

校舎そのものが巨大な竹の構造体で、自然換気、自然採光、オープンエアの教室など、熱帯環境を前提にした設計になっています。特に面白いのは、建築だけではなく、「学校そのものをサステナブルな社会の実験場にする」という思想です。切り立ったウブドのジャングルの中に様々な教室や研究室が建てられており、谷には大きくて頑丈な竹を編んだ橋で、グリーン・キャンプと繋がっています。

バリ島・ウブド郊外の渓谷と棚田に囲まれたバンブー・インダー(Bambu Indah)は、ジュエリーデザイナーのジョン・ハーディ夫妻が手掛けた、世界でも類を見ないサステナブルホテル。ウブド中心部から車で約15分。豊かなジャングルとアユン川の自然に溶け込むように建ち、まるで建築作品の中に滞在しているような特別な時間を過ごせます。

ホテル最大の魅力は、竹建築と伝統建築が融合した唯一無二のデザインです。100年以上前のジャワ島の伝統家屋を移築・再生した客室に加え、ジョン・ハーディの娘エローラ・ハーディ率いる「Ibuku」が設計した竹のツリーハウスやネストなど、24棟すべてが異なる意匠で造られています。(ちなみに、「Ibuku」はバリ島を中心に60以上の竹構造を手掛けています)壁のない開放的な空間や屋外バスルーム、自然の風で室内を快適に保つ設計など、一般的な高級ホテルとは一線を画す空間体験が魅力。さらに、ベッドだけを効率的に冷やす独自の空調システムや、職人による銅製の浴槽・洗面台など、環境への配慮と快適性が高い次元で両立しているといわれています。
特に見るべきなのは、New Moon House、Copper House、Guadua House、竹の構造体、自然の湧水を利用したプール。「建物を自然の中に置く」のではなく、建築そのものを生態系の一部にするという考え方が非常に刺激的です。

敷地内には湧水を利用したナチュラルプールや棚田、オーガニック農園、川沿いのレストラン、サンセットバー、ヨガや自然散策を楽しめる施設が点在し、ホテル全体がひとつのランドスケープデザインとして完成されています。

建築やデザインを学ぶ方にとっては、竹という再生可能素材の可能性、伝統建築の再生、自然環境と一体化した空間構成、そして「建築が自然を支配するのではなく、自然に寄り添う」というジョン・ハーディの思想を五感で体感できる、まさに“泊まれる建築ミュージアム”と呼ぶにふさわしい一軒です。
宿泊する部屋によりすべて価格が異なりますが、PINKではバンブー・インダーに宿泊する手配を承っています。

アユン川の渓谷に沿って、12棟のユニークな竹の住宅・ヴィラが展開するコミュニティです。John Hardyが構想し、IBUKUが設計・建設を手掛けています。建築とランドスケープ、住宅とコミュニティの境界を見ることができます。ここで面白いのは、「竹の家を一軒設計する」のではなく、竹建築による集落そのものを設計していること
PINKではこちらのグリーン・ヴィレッジを特別に許可を得て訪問・見学するツアーを扱っています。

PINKではこうしたバリ島ならではの、単なる「おしゃれなホテル巡り」ではなく、「21世紀のバリ建築がどこへ向かっているのか」に注目した新旧織り交ぜた建築を勉強している方々のためのプラン作成も承っています。
バリの伝統住宅を現代化する建築や自然素材から新しい建築を生み出す建築。そして熱帯環境そのものを建築化する建築など7~8日間のツアーで十分に見ていただくことが可能です。ぜひお問い合わせください。