進化するタイのヘルス&ウェルネス最前線

〜“癒しの国”から“ウェルネス大国”へ〜

先日、タイ・バンコクにて「Health & Wellness Trade Meet 2026」が開催されました。

実際に足を運び、まず感じたのは、これまで自分が抱いていた“タイ=癒しの国”というイメージが、想像以上にアップデートされていたということです。

タイといえば、古くからタイ古式マッサージやハーブ療法、ラグジュアリースパなど、ウェルネス分野において世界的な評価を受けてきた国です。ホアヒンの「チバソム」をはじめとする名門ウェルネスリゾートの存在からも、その実力は広く知られています。しかし今回の視察で目の当たりにしたのは、そうした“癒し”の領域をはるかに超えた、医療・美容・予防・メンタルケアまでを包括する、極めて高度に進化したヘルス&ウェルネスの世界でした。

医療とウェルネスの融合が進むタイ

モーベンピック BDMS ウェルネスリゾートバンコクと直結しているクリニック

会場となったホテルに併設されている「BDMSウェルネス・クリニック」では、その象徴的な光景を見ることができました。このクリニックは、タイの最新の再生医療および予防医学を中心に、病気を予防し、長く健康な生活を促進するためのサービスを提供しています。予防医療・ウェルネス、筋骨格・リハビリ、脳・認知機能、心臓・血管(予防循環器)、消化器や歯科、不妊治療・女性医療、美容・皮膚・ヘアなど、実に多岐にわたる医療サービスが提供されています。

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まるでホテルのようなラグジュアリーな空間

私も今回、ボディコンポジション分析を体験させていただきました。骨密度や筋肉量、内臓脂肪などを詳細に可視化でき、その結果を元にドクターのカウンセリングが行われ、生活習慣の改善へと繋がっていきます。

最先端の機器での診断が可能
ドクターによるアフターカウンセリング

従来、日本では医療とウェルネスはどこか切り離された存在として捉えられがちでした。しかしタイでは、それらが自然に融合し、「予防」「改善」「維持」という一連の流れを通じて、健康寿命=“Longevity(ロンジェビティ)”を高めるという考え方が浸透しています。このシームレスなアプローチこそが、タイのウェルネスを象徴する大きな強みだと感じました。

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“開かれた病院”という新しいかたち

さらに印象的だったのが、現地の病院の在り方です。

1日に約300人もの日本人が訪れるというバンコクの日本人駐在員の間で広く知られているサミティベート病院では、日本人医師が在籍し、約25人の日本語通訳が在籍しており、日本語対応の専門外来や入院病棟が整備されています。また定期的に無料医療相談会が設けられていて、言語の壁を感じることなく安心して医療を受けることができるだけでなく、その空間自体にも大きな特徴があります。

明るく開放的な空間は、思わずここが病院であることを忘れてしまうほど9

一般的に「病院」と聞くと、どこか無機質で閉ざされた印象を持つ方も多いかもしれません。しかしここでは、そのイメージが大きく覆されます。明るく開放的な空間設計、ホスピタリティを感じさせる対応、そしてリラックスした雰囲気。そこには、従来の“治療の場”としての病院ではなく、“人が安心して訪れることのできる場所”としての新しい姿がありました。

日本人専用の棟
日本人医師が在中し、定期的に無料の医療相談も開催されている
.院内には至る所にフリーのミネラルウォーターが置いてある
.小児科も明るくリラックスした雰囲気
旅行保険の対応もスムーズ。世界中の旅行者にも開かれた病院

現地在住の日本人はもちろん、旅行保険の対応もスムーズで、旅行者にとっても利用しやすい環境が整えられており、医療がより身近で開かれた存在になっていることを強く感じました。

ウェルネスが「産業」として成長する背景

こうした進化の背景には、タイ政府による積極的な取り組みがあります。近年、タイではウェルネス産業を国家戦略の一つとして位置づけ、医療・観光・ホスピタリティを融合させた新たな価値創出を進めています。

単なる観光資源としてではなく、“長期滞在型のウェルネスデスティネーション”としての地位を確立しようとする動きは、今回の視察からも強く感じ取ることができました。タイにおけるウェルネスとは、もはや「リラックスするためのもの」ではなく、「より良く生きるための選択」であり、「人生の質を高めるための投資」へと進化しています。身体、心、そしてライフスタイル全体を包括的に整えるという考え方が、社会全体に浸透していることを感じました。

タイ国政府観光庁 総裁 Thapanee Kiatphaibool によるご挨拶

「ウェルネスを目的に旅をする」という新しい価値観。”Healing is the New Luxury~癒しこそ、新しいラグジュアリー”を提案するデスティネーションとして、タイはすでに確かなポジションを築きつつあります。

「サミティベート病院」の基本情報