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舞台〜「ぼくに炎の戦車を」

鄭義信(チョンウイシン)作・
草 剛、香川照之、広末涼子、馬渕英俚可、チャスンウォン・・・と
その名前だけでも濃そうな舞台を観てきました。

以前 鄭義信氏&馬渕英俚可さんの「GS近松商店」という舞台で
これでもか、というくらい泣かされた経験があり、
しかも今回は映画「ゆれる」などでも 常日頃から
私の涙腺を刺激しがちな香川照之出演とあって
かなり覚悟をしておりました。(やっぱり泣かされてしましたけど)

舞台の時代背景は、1920年代。
日露戦争後、大日本帝国による朝鮮半島の領有により、
朝鮮に多くの日本人が移住していた時代を生きる人々を描いた舞台です。

朝鮮を政治的な弾圧という形で支配しようとする日本
そんな日本人の姿に、人間として憤りを感じている主人公
韓国では身分の低い放浪芸人集団達と
日本から新天地を求めて朝鮮に渡った日本人
陰で朝鮮人との兄弟の契りを結んだ日本人
新天地で精いっぱい生きようとする女性達
自分を捨てた父親を追ってきた息子・・・

竹島問題や尖閣諸島問題が取り沙汰され、
しばらく「経済」ばかりを気にしていた日本も
改めて「国が抱えてきた歴史」に目を向けざるを得なくなった昨今です。

このタイミングでの上演はとても意味深いものになりそうです。

*  *  *  *
この舞台、 舞台でなければ伝わらない演出が数多くあると思いました。
主演の草さんは少し声がつぶれ始めていました。
あまりの迫真の叫びのためです。
聞けば、今回の舞台はマイクを使っていないそうです。

チャさんの綱渡りも、「生」です。
この緊張感は舞台ならではです。

機会があればぜひ見にかれることをお勧めします。

題名にもなっているウイリアム・ブレイクの詩も
夢を失った現代人の心には響くと思います。

 「ぼくの燃える黄金の弓を
 希望の矢を
 槍を ぼくに ああ 立ちこめる雲よ 消えろ
 炎の戦車を ぼくに与えてくれ
 精神の闘いから ぼくは一歩も引く気はない
 この剣をぼくの手のなかで眠らせてもおかない」

ぼくに炎の戦車を HP
 

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