PINKへの旅のオーダーNo.1といえばスリランカ旅。アーユルヴェーダ、スリランカ料理に紅茶、そして数々の世界遺産と見所も豊富。旅人をやさしく受け入れてくれるおだやかな国民性もリピーターを引き付けるポイントのひとつ。では、これからスリランカへと旅にお出かけの方に向けて、その魅力の一端を連載でご紹介させていただきます。今回は基礎編です。
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スリランカ旅のススメ
かつてはイギリスの植民地であり、1948年2月4日に独立した「セイロン」。1972年に改名しスリランカ民主社会主義共和国、通称スリランカ(Sri Lanka)と呼ばれています。シンハラ語で「スリ」は輝く、「ランカ」は島で、「輝く島」という意味です。
民族はシンハラ人とタミル人から成り3/4がシンハラ人。国民の70%が輪廻転生を願う上座部仏教を信仰。そのため寺院が多数あり、1日3回(早朝、朝、夕方)プージャ(礼拝)が行われ、町中にサンスクリット語のお経が響き渡ります。それがなんとも心地良く癒され、清められる思いです。
他にイスラム教、キリスト教を信仰する方々に分かれますが、インドのお隣とあってヒンドゥー教の神様も崇拝の対象。なかでもガネーシャは人気で成功や知恵の神様としてあちらこちらで祀られています。
気候は熱帯、年間平均気温は27℃前後でほぼ一定といわれています。高温多湿ながら高地は冷涼で初秋の高原のように涼しく過ごしやすいのが特徴です。ベストシーズンは乾季の12月から3月。雨季は5月から9月。ただし、西部、南部は5月から9月が雨季で、12月から3月が乾季となります。室内や店内は冷房がきいているので羽織物のご持参をお忘れなく。また高地に行く場合は、とくに朝夕冷えるので上着やソックスなどをお持ちいただくと安心です。
次に国土面積は、北海道の約80%の65,610 km²と思いの外、小さい島国ですが世界遺産に8つが指定されています。歴史と文化、自然を愛する方ならば、これらを目指して旅をするのも良いでしょう。
スリランカの世界遺産
・シギリヤロック(文化遺産1982年登録)
・ダンブッラ石窟寺院(文化遺産1991年登録)
・聖地キャンディ<仏歯寺と旧王都>(文化遺産1988年登録)
・ゴール(文化遺産1988年登録)
・アヌラーダプラ(文化遺産1982年登録)
・ポロンナルワ(文化遺産1982年登録)
・シンハラジャ森林保護区(自然遺産1988年登録)
・スリランカの中央高地(自然遺産2010年登録)
スリランカのアーユルヴェーダとは?
スリランカ旅の目的としてアーユルヴェーダを上げる人も少なくありません。「アーユルヴェーダ」とは、サンスクリット語の「アーユス(生命、寿命)」と「ヴェーダ(科学、知識)」を組み合わせた言葉で「生命の科学」という意味。約5,000年以上前の古代インドを発祥の地としたスリランカの伝統医療であり世界保健機構(WHO)が認める世界最古の伝統医学です。
スリランカでは国を挙げて伝承と発展に力を入れていて1961年にはアーユルヴェーダ法が制定され公的な医療として認可。1980年には伝統医療省(通称アーユルヴェーダ省)が設立。担当大臣も置かれ暮らしと切っても切れない関係にあります。
日本や各国のスパのメニューにアーユルヴェーダは取り入れられていますが、実際は生活に根差した医療でありスリランカ人の基本です。そのため、食事の際は、推奨される食材がある一方で禁忌となるものもあります。
さらに仏教の信仰上、魚貝、そして主に鶏肉、牛肉を食し、豚肉は食べません。その影響を受けつつ野菜を中心に食べ、ハーブとスパイスと共に自然の力を身体に取り入れることに重きをおいています。
また、インドのアーユルヴェーダや食事との違いは「油」にもあります。インドがギーやバターを多用するのに比べて、スリランカではココナッツオイルが主。そのため、食事も比較的くどくない傾向があります。ココナッツオイルの酸度にこだわり、圧搾してくれる専門店があるばかりでなく庭に自生したココナッツの実を乾燥させ、使う分だけ手作りする昔ながらの手法で作る家やレストランもあるほど。アーユルヴェーダの治療にココナッツオイルや実もが加わります。
スリランカ料理っておいしいの?
近頃、日本にも増えつつあるスリランカ料理店ですが「名物は?」と尋ねてもまだ答えられない人が多い料理かもしれません。しかも、検索すると「スリランカ料理 まずい」という予想ワードが出ることもあります。果たして本当に不味いのでしょうか?
まず、代表的な料理といえば、スリランカカレー。数々のスパイスが配合され香り高く複雑な味わいが癖になるおいしさ。辛さは胡椒や青唐辛子、少しのチリ。「辛い、辛い」といわれがちなスリランカのカレーですが、昨今に日本の激辛ブームに比べればおとなしいほうではないでしょうか。
しかも、他国と違って「辛さを控えて」というリクエストがしにくい傾向にあります。何故ならば食堂やレストランでは一度に大鍋で仕込むため、最初から辛さが決まってしまうのです。
そして、私たちにとってカレー&ライスはお腹を十分にお腹も満たしてくれる一品料理であることから日本の観光客は、カレーを一品注文して食べがち。結果、「辛い、辛い」ということに、そこで、ぜひスリランカ式に様々なカレーやおかず、ふりかけ的な存在サンボルなどを混ぜて召し上がってみてください。それぞれに味が違うので辛さが中和されるだけでなく、お皿の上でお好みの味が作れます。また、ココナッツミルクを入れたカレーはマイルド。辛味が苦手な方ならば最初からココナッツカレーを選ばれるといいかもしれません。
一方でココナッツオイルを使ったスリランカ料理は、比較的油っぽさが控えめ。しかも、出汁の定番は鰹節。「モルディブ・フィッシュ」と呼ばれる鰹節で様々な料理に使われます。動物性の出汁に加えて淡白ですし、食べ進めるうちに私たちが慣れ親しんだ味わいを見つけることができます。他、アーユルヴェーダの料理は塩分が控えめな傾向にあります。
お米料理が多いことでも有名なスリランカ。バスマティライスが主食です。このバスマティライス、GI値(グリセミック指数)が低く、GI値が80ある日本の白米と比べ、50~58と控えめ。さらに低糖質で血糖値の上昇が穏やかなヘルシー米です。
といっても、スリランカの人々は、いかにお米をおいしく沢山食べるかを重要視し、塩気の強い料理が少なくありません。いわゆる「ご飯泥棒」がテーブルに毎々並ぶので、おかずの量を加減するのも滞在のヒントかもしれません。
そういいつつも観光客向けのレストランやホテルレストランに入ると辛さが控えめなだけでなく、変化球を加えた海外の料理やぼんやりとした味付けのメニューが並ぶことも多々。味に敏感な日本人には物足りなく感じるかもしれません。
それというのも昔、イギリス領(1815年~1948年)であった時代が影響しているのです。長きに亘りヨーロッパからの旅人やビジネスマンに塩辛さのクレームを受け続けた結果、地元の方々が食べるものと観光客用と二分されました。ツアー旅行では観光用のレストランにブッキングされることがほとんどとなり、真のスリランカ料理とは少し離れた味を経験することになります。
この現象は日本のスリランカ料理店にもやや反映されていて、同じメニューでも在日スリランカ人用と日本人客用の味付けは違っていると耳にします。そんなことで「まずい」といわれてしまうのかもしれません。
とはいえ、辛さやスパイスを多用することでお腹を壊す方もいるので無理せず召し上がっていただくのが良いかと思います。もちろん、私たちがおいしい!と感じるお店は数々あり、「スリランカ人は、スリランカ料理に自信を持つべきだ!」と思わずにはいられません。ですから、ご旅行の際にお好みの味を探求してみてはいかがでしょうか。
撮影・文:泉美 咲月(Satsuki Izumi)
ようこそ。たまらなく気持よくて摩訶不思議なアーユルヴェーダ世界へ
URL:https://www.loveandtravel.co.jp/ayurveda/
問い合わせ先:03-6264-0740
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