スタッフブログ~映画「日々是好日」とマインドフルネス

先日偶然つけたTVで映画がちょうど始まったところだったので、何となく観始めたのが、「日々是好日」という映画でした。<にちにちこれこうじつ>と読み、「毎日が良い日である」という禅の言葉です。
女優 樹木希林さんが茶道教室の先生役。黒木華さん、多部未華子さんが生徒役で、ごく普通の女の子が茶道の世界に触れながら、日々成長していくストーリー。 映画のタイトルは知っていたのですが、最初宣伝を観た時、私は「なぜ今時分にお茶の話なんだろう?」と流していました。

けれど、

何の気なしに観始めたにもかかわらず、面白くて、目が離せなくなり、結局そのままついに最後まで観てしまったのです。

その映画で描かれている茶道の世界が、最近よく聞くまさに<マインドフルネス>な世界だ!と思ったからです。

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実は以前よりヨガの先生と過ごすツアーの企画などの際に、度々〈マインドフルネス〉というワードが出てきて、「マインドフルネスってなんだろう?」と気になっていたのです。

そしてこの年末からお正月に、私はたまたまマインドフルネス的?な体験を偶然立て続けに触れていたことに気が付きました。


まずは年末にたまたま会社で「マインドフルネス講座」をやっていて、声をかけていただき、自分も知りたかったので出てみました。
講座では一粒の干しぶどうを食べる前に形や様などを見てから、口に含み、舌の上に乗せてから噛まずにゆっくり食べていったり‥
つまり「今という時を丁寧にかみしめて生きることを自覚する行為」とか「今という時間に感謝すること」やそういう気持へ持っていくためのメソッドみたいなものかなぁ、と自分なりに勝手に解釈しました。

次に お正月に久しぶりに祖父母のお墓参りへ。お墓をふいたり、枯葉を片付けていたかえりがけ、お墓参りはご先祖様のため、というより、自分の心の安定のためだったんだ、とふと気づかされました。
そしてこの週末、たまたま急に行けなくなった友人のかわりに誘われて、近所のお寺で行われた写経に行ってきたところです。「あまり意味もわかない文字をただ書くだけ」の行為、そしてお寺という空間。久しぶりに静かな場所で集中した安定の時間でした。

その流れで この映画「日々是好日」。

これらはあくまでも、後から振り返ってみて気がついたことです。

神様はもしかして私に何かを伝えようとされてますかね?


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映画「日々是好日」の中で樹木希林ことお茶の先生の指導に対して、まだ習い始めの主人公は度々、お茶の作法や所作について「何故こんなことをわざわざするのか?」「こんなことをあえてすることに、どのような意味があるのか?」と問います。
すると先生はその問いに、ポツリ彼女たちを嗜めるのです。
「意味を求めるのではなく、あるがままを受け止めなさい。」

「やることに意味がないかもしれないけれど、そのようにやりなさい。そうやるものなのよ。」と。

その言葉は私の心に深く響きました。


おそらく、側から見てシャキシャキした感の薄い私ですが(笑)、そんな私でも、休みの時でさえ、常に何か「意味のある時間を過ごさなければ」という一種の脅迫観念があったことに気づいたのです。例えばそんな私が、映画の中の茶室で同じお稽古をしたら‥掛け軸の言葉や茶菓子の季節感や雪見障子から見える景色にどれだけ気付けるでしょうか?

おそらく<マインドフルネス>とは、資本主義社会が作りだしたそんな強迫観念からいかにして気持を解放させるか、というメソッドなのだと思えました。

とにかくマインドフルネスは、かつての日本にしっかりあった世界だったこと知りました。

茶室を見ていると、ふとスリランカのジェフリー・バワ建築のルヌガンガを思い出しました。同じような印象が伝わってくるのです。日本人のバワ人気の鍵は、きっとこんなところにもありそうな気がしています。

PINK 萩原

映画の中での樹木希林さんの佇まいが放つ空気感や存在感は圧倒的で、歳をとることの素晴らしさを感じさせてくれる演技でした。 
「歳をとる」のではなく「歳を重ねる」よう日々をもっと大切にしよう、そう思ったマインドフルネスなお正月でした。

この映画の世界は、正にマインドフルネスな世界そのものだと思いました