心が折れたら泊まりたい メンタルまで整えるアーユルヴェーダのある滞在【アーユピヤサ 後編】


「生命の化学」という意味を持ち、スリランカ人の暮らしになくてはならない「アーユルヴェーダ」を日本人でもわかりやすく、そして快適に受けられる宿泊施設が『アーユピヤサ』です。前編でご紹介した「食」も大切ですがメインはトリートメント。後編では”本専門ホテル”に相応しいメニューをご紹介させていただきます。

アーユピヤサで心身を「起こす」

「生命の里」を意味する『アーユピヤサ』。「アーユ」は命、または生命。「ピヤサ」は里を表します。客室は8室だけですがジャングルに囲まれた広大な敷地のなかで宿泊できるだけで贅沢な気分になります。

コテージやレストランを取り囲むのは木々や花々。そして薬草

携帯電話は通じますがWi-Fiはありません。それを不便と思わず、スマホやタブレットの電源を切り、デジタルデトックスをされる方も大勢訪れます。非日常の旅のなかで現実や依存を手放すのもひとつの手段だからです。

ここでのスケジュールは、ごくごくシンプル。

06:00起床
06:15お白湯、コラキャンダ(薬草のお粥)を飲む
06:30ヨガスタジオでヨガ
07:30朝食
10:00問診、トリートメント
12:00昼食
14:00トリートメント
16:00ティータイム
19:00夕食 以降、自由時間

しかし、この繰り返しが規則正しい暮らしのリズムを整えます。

「アーユルヴェーダ」では不調や病気の原因は、その人自身にある、と考えられています。その原因のひとつに乱れた体内時計も含まれ、日常生活と心身のリズムの誤差が悪影響を与えていることもままあります。この滞在をきっかけに生活を見直してみてはいかがでしょうしょうか。

 青汁のような重湯のようなコラキャンダ。ゴトコラ、ハータワーリエなどのハーブ、ココナッツミルク、お米などで作る

身体を目覚めさせるお白湯やコラキャンダ同様にヨガも大切なポイント。敷地内にあるヨガスタジオでは毎朝、ヨガ・マスターの指導のもとで実践することができます。

ヨガは初めて、または身体を動かすのが苦手という方でも心配はいりません。上級者向けのポーズはなく、基礎的でゆっくりとしたペースのレッスンです。

ヨガ専用のスタジオがあり、集中してレッスンを受けることができる

そして、ヨガの基本は「呼吸」。緊張しやすい人や状況にある方、また集中する時間の長い方ほど呼吸が浅く、息を止めがちなのはご存じですか。また、スマホやパソコンの使い過ぎでストレートネックや巻き肩をおこしている方も酸欠な状態です。

そこで、まずはヨガをきっかけに呼吸法を身につけ、宇宙のエネルギーを身体に取り込む練習を始めてみてはいかがでしょうか。また、ヨガの中級者・上級者の方ならば、レッスンの合間にスタジオを利用していただき、より心身を解放できます。

いずれにせよ、大自然のなかでのヨガは最高の贅沢。深いリラクゼーションを得ることができます。

心身を整える滞在を提供

スリランカの伝統医療でもある「アーユルヴェーダ」。スパやマッサージ好きな方ならばご存じの「シロダーラ」や「ハーバルボール」以外にも、様々な症状の改善に適した施術が用意されています。

「医療」だからこそ医師が存在する「アーユルヴェーダ」。『アーユピヤサ』にも勿論、専任のドクターが在席し、問診・診断をし、施術のメニューを決めていきます。そして、「アーユルヴェーダ」は心身を動かすエネルギーのことを「ドーシャ」と呼びます。「ドーシャ」は、風の「ワータ(ヴァータ)」、水の「ピッタ」、木の「セマ(カパ)」の3つに分かれていて、すべての人が、この3つの性質を持っていると言われ問診により、現在の「ドーシャ」を見極めます。

日本語の問診票も用意されていますが英語でのやり取りが不安な場合、あらかじめご自分の体調や持病について、滞在の目標などを翻訳アプリで作成し、持参してはいかがでしょうか。身体を見るだけではなく、心も見るのも問診のひとつ。言葉のハードルを越えてコミュニケーションを取れば取るほど健やかな未来を手にすることができます。

(左上)一軒家のスパ棟(右上)日替わりで生けかえているガーデンで摘んだ花々(下)伝統的な器具を用いて切る、突く、潰すなどして手作業で作る
 

独立したスパ棟には診察室や各トリートメントルームがあります。しかも『アーユピヤサ』の大きな特徴としては、日に2回のトリートメントがあること。まさに「三昧」です。※一般的なアーユルヴェーダ施設では日に1度が多数

滞在中、観光も予定される場合は、午後のトリートメントをスキップすることが可能(ただし、料金は変わりません)です。

すべて手作りが当たり前のアーユルヴェーダ

施術の直前に手作りされるハーバルボール

オールハンドでのマッサージは勿論、使用するアイテムも手作りです。例えばハーバルボールならば、トリートメントの前に昔ながらの道具で薬剤を刻み、すりつぶし、包み、蒸し上げるという工程をおこない、作り置きはしません。

シロダーラの施術中、セラピストが立ち合い手作業でオイルを垂らしていく

リクエストが多いのが「シロダーラ」。ヘッドマッサージ後、30分かけて額にオイルを少しずつ垂らしていきます。額には第三の目と呼ばれるチャクラがあり、オイルを流し続けることで深い瞑想に似た状態へと誘われます。細い糸のようなオイルが額や頭の地肌を伝う感覚は、言葉に代えがたい心地良さ。一瞬で眠りに誘われる人もいます。

午後のトリートメントの後にはティータイム。紅茶の国・スリランカならではの美味しいミルクティーや自家製のクッキーを食べられる

心身のリズムを整え、改善を目指すならば9日~14日間のご滞在がお薦め。とはいえ、長期の休みをとるのは難しい、予算の都合もあるという方ならば、まずは3泊~4泊ほどしていただければ、身体が変わり始める実感があるはずです。

敷地内に祀られた仏陀像。仏教徒が70%を占めるスリランカでは朝夕の祈りは欠かせない

進化が著しく速い現代。私たちの日常は日に日に便利に、合理的になっていきます。しかし、そこから生まれる心や身体の歪はつきないもの。だからこそ自然と人の手による癒しは必須。『アーユピヤサ』にてのアーユルヴェーダ体験と改善を心からお薦めさせていただきます。


撮影・文:泉美 咲月(Satsuki Izumi) 現地取材を経て執筆

アーユピヤサ宿泊するツアーコース
直行便利用★食事と環境から体を癒すアーユルヴェーダ・森の中のリゾート<アーユピヤサ>泊/毎日のトリートメントでよみがえる全食事付&カウンセリング・ヨガ/ホテル発オプション多数
アーユピヤサ6日間<ひとり旅>  *アーユピヤサ6日間<ふたり旅>
アーユピヤサ8日間<ひとり旅>  *アーユピヤサ8日間<ふたり旅>


アーユピヤサ<Ayupiyasa>

住所:Ovil Pitiya,Estate Ovilla,matale, Sri Lanka
問い合わせ先:03-6264-0740


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