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<スタッフブログ>「誰かに喜んでもらいたいという気持ち」

急にすっかり寒くなりましたね。。。そうすると、やっぱり暖かいところに行きたくなるし、温もりが恋しくなったりして・・・?今日はこころがあったかくなるレストランのお話です。

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代々木上原に「セララバアド」というレストランがあります。シェフはスペインの世界で一番予約の取れないレストランとして有名な「エルブリ」で修行をされ、革新的なレストラン「noma」を経て、クラウドファウンディングで「セララバアド」をオープンしました。こちらのレストランもすでに都内で中々予約の取れないレストランのひとつになっています。「セララバアド」は四季に合わせた大きく4つのコースメニュー構成。違うメニューを楽しみたいなら、1年春夏秋冬、季節をかえてうかがわなければなりません。

このレストランは、訪れる度に、シェフの「ゲストを楽しませよう」という気持が強く感じられます。私はすっかりそれが好きになってしまい、昨年より1年間で四季にあわせて4回を一気に味わってしまいました。

例えば今夏のテーマは「旅」でした。

メニューのかわりにテーブルには「セララバアドの旅」という小さな冊子が置いてありました。開くと、ちょっとした小説のようになっています。主人公のセララバアドが素敵なものを探しながら旅をする話。そして、そこに登場する朝露やレンゲの花、貝殻や線香花火などが、そのままお料理のメニューのタイトルになっているのです。

「朝露」は蓮の葉に滴の様なゼリーの中にジュレがのっているし、貝殻を耳に当てると波のさざなみがはっきり聞こえ、デザートの線香花火は、口の中に入れるとパチパチ弾けるです。メニューに合わせてBGMも変わって、食事をしながらゲストは草原を、森を、彷徨いながら、夏風景を疑似体験していくのです。
どのメニューも一見どんな味がするのか想像がつきません。最先端の化学的料理は食材が液体窒素やエスプーマなどで様々な形や食感になっていて、口に含んでみると「あれッ、これってもしかして・・・」という感じです。面白い。一見味の想像がつかない。そして次のメニューが一体どんなものなのかワクワクする。まるで形を変えている食材達は化学の世界のようで、これが「イノベーション・キュイジーヌ」と言われる所以です。

たとえば写真のイカは、カニのエキスとアーモンドのエキスが泡状になっていて絶妙な美味しさでした。
そして、メニューの演出も毎回手が込んでいます。秋メニューは落ち葉に見立てた葉っぱでした。落ち葉に見立てた葉っぱの一つを引っ張り出すと、小さな葉っぱに一つずつメニュー名が印刷してあり、それをずるずる引きずり出すとコースメニューがすべて出てきます。糸で繋ぐスタッフの姿が頭に浮かぶのです。

様々な準備の集大成が、「食事」というエンターテイメントに見事に繋がっています。「ゲストに楽しんで欲しい」、「美味しい食事を味わって欲しい」。そんな作り手の気持が伝わる楽しい3時間。私は行くたびに、自身の仕事に置き換えて、味わった素晴らしいひと時を楽しんでいます。サービス業のお仕事に携わっている方には様々な体験として、「セララバアド」はとてもおススメのレストランだと思っています。

 

 

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