エジプトを旅行したのは、もう15年ほど前になります。もともと遺跡巡りにはあまり興味がなかった私ですが、それでもエジプトの旅は本当に楽しくて、気づけば夢中になっていました。後半には、どの遺跡がいつ造られたものかなんて、細かいことはどうでもよくなるくらい、目の前の景色に圧倒されていました。エジプトは、誰でも少しだけ“冒険家”にしてくれる場所なのだと思います。
ラクダに乗ったり、船に揺られたり、馬車やカートで移動したり、ピラミッドの中をほぼ匍匐前進で進んだり…。とにかく体をよく動かす旅で、行く前に想像していた映画『ナイル殺人事件』のような優雅なイメージとは、まったく違うエジプトの一面を知りました。実際に訪れると、エジプトは“冒険”のほうがしっくりくる場所なのだと感じます。
特に忘れられないのは、当時のエジプト考古学博物館で見たツタンカーメンの遺品です。小さな台座に有名な黄金の棺をはじめ驚くほどたくさんの品が、所狭しと並んでいました。なかでも羽根の扇子やサンダルなど、ツタンカーメンが実際に使っていた日用品は、現代のものとほとんど変わらず、そのシンプルさに思わず驚きました。ローマの博物館で見た紀元前の安全ピンが今とほぼ同じ形だったことを思い出し、人の知恵って昔から変わらない部分があるんだなぁとしみじみ感じました。

先日2025年11月1日、ギザに「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum/GEM)」がついにオープンしました。古代エジプトの遺物が10万点以上収蔵され、ツタンカーメンの黄金のマスクを含む副葬品が、初めてすべて一度に展示されているそうです。
とくにツタンカーメンの展示室は2部屋に分かれ、5000点を超える副葬品が並ぶ圧巻の規模とのこと。ぜひまたエジプトを訪れて、この壮大な展示をじっくり見てみたいと思っています。
ちなみに、館内ではスマホやコンパクトデジカメでの撮影が可能で、フラッシュと商業利用のみ禁止。これまで撮影できなかった黄金のマスクや人型棺も撮影できるそうで、旅の楽しみがさらに広がりそうです。
この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
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