新しくなった歌舞伎座に行って来ました。
地下鉄東銀座から直結していて、歌舞伎を見ずとも歌舞伎座グッズが購入出来たり、敷居が少し低くなった感じ。

しかし、凄い賑わいです。

5月杮落歌舞伎座で観劇したのは、藤十郎の「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」、仁左衛門、玉三郎の「廓文章(くるわぶんしょう)」。

久しぶりに見ましたが、

面白い。

冒頭は、何を言っているのかわからないこともあり、眠気に誘われることもしばしばでしたが、前もってあらすじを読んでおくと結構楽しめ、
笑いあり涙あり。

また、 舞台のはっとする色使い、(いわば)生のオーケストラの演奏の豪華さ、黒子や早変わりの面白さ、奈落から煙と共に登場する仕掛けの楽しさ、そして衣装の華やかさ…
今回は歌舞伎座の新装に合わせて、衣装もすべて新調されたと聞きます。
目に眩しい美しさです。

娯楽の少なかった昔の人々には、本当に究極に楽しいエンターテイメントであったに違いありません。

まわりの席の叔母さま方は、玉三郎の着物の豪華さと美しさに場内中に溜息をもらし、
仁左衛門の二枚目の立ち姿にざわめき、
子役が出てくれば、「あら〜お母さんにそっくり!」と声に出し、
心から満喫しているのが見て取れました。

さて、帰りに久しぶりの銀座。

少し歩いて、この街が妙齢の女性以上の世代に人気がある秘密がやっとわかりました。

自分の親世代からある老舗の店と新しい店がバランス良く混在しているのです。

歌舞伎しかり、古き良き老舗のある意味<究極のワンパターンの底力と素晴らしさ>を、この街からは感じるのです。
「今のあなたでいい」けれど「バランスよく新しいものを取り入れようよう」と
そう街が言ってくれてるような…

杮落歌舞伎は6月まで。
また100年、200年と続くのでしょう。
杮葺落六月大歌舞伎

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ところで歌舞伎の世界に入られた若いお客様がいらっしゃいます。
元はバレエの世界にいらしたという面白いご経歴の方です。
機会があれば是非ご注目下さい。
中村獅二郎さん